ぜんぶ夢だよって
いつかは来ると思ってた。
朝田くんが松竹座からいなくなるときがいつかは来るだろうなって。でもまさかこんなタイミングで 、こんな最悪な形でいなくなるなんて、想像もしてなかったよ。
別れがいつくるかなんて私にはわからないから、朝田くんを見るときは「もしかしたら今回が最後かもしれない」と思って毎回見に行くようにしてたけど、
心のどこかで「きっと次も当たり前にいるから大丈夫」と思ったりして勝手に安心してた。
でも今回の春松竹はリアルすぎたな。
当たり前なんかないってことは分かってた。分かってたけど、今回目の当たりにして、しみじみ感じた。
3月6日
写真が表沙汰になった日。
私が大阪に出発する予定の日。
朝から上機嫌で部活に行って、いつもの練習に全く集中できないくらい朝田くんに会える嬉しさでいっぱいだった。その日の練習が終わって部室で何気なくTwitterを開いたら、目に飛び込んできた衝撃的なもの。
大好きな朝田くんと知らない女の人がまるでカップルかのように写ってるツーショット写真。
最初見たときのショックはゼロだった。むしろ逆。
えっ朝田くんかっこいい…
それだけだった。
しばらくして気が付いた。
あ、これって流出…やらかしたな
これ以上のことは何も思わなかった。
私は朝田くんのプライベートに興味はないし、誰と付き合っててどんなことしてようが、そんなことどうでもよかった。アイドルとして全力で隠してさえくれれば。
でもショックがゼロだったなんて、そんなのただの強がりだったんだなって…後から思い知った。
家に帰って下書きしていたファンレターを完成させようと思ってもなかなかペンが進まなかった。
ショックなんてなかったはずなのに。
なにかが邪魔してた。
タイミングが悪いな〜なんて。
やっぱりモヤモヤして暇があればずっとエゴサしてた。「春松竹」「朝田くん」「淳弥」「朝田淳弥」他にも彼女の名前とか色々検索してみたけど、写真の淳弥かっこいいとか、お似合いだと思うとか、そういう意見ばかりで。この日はちょっと混乱してただけで悲しい気持ちにはならなかった。
だからこの流出がこんなに大ごとになるとは思いもしなかったんだ。
モヤモヤしながらも夜行バスで大阪に向かった。
3月7日
この日はリューンを観に行く予定の日。
バスで目覚めてスマホを開くと出てきた昨日の写真。
ああ、夢じゃなかったんだ
そう思いながらスマホを閉じてバスを降りた。
なにも書かないまま持ってきたレターセットを取り出して、カフェでファンレターを完成させた。だいぶ前から下書きしてたから内容を変えるか何度も何度も迷ったけど、結局変えずにそのまま書いた。
ずっと楽しみにしてたリューンは、本当に本当に素晴らしいミュージカルだった。終演後は「リューンやばかった…!」って言葉しか出ないくらい最高だった。
丈くんと大橋くんがすごく大きく見えて。
楽しそうに舞台に立っている姿が眩しくて。
今の私にはあまりにも眩しすぎたんだよ。
ホテルに帰ってその日の春松竹のレポを見た。朝田くんの様子が気になって。「淳弥くん、いつもと変わりなかった」と書いてあって安心した。けど変わりないことないだろうなってちょっと思った。無理してるんじゃないかなって。
春松竹のレポと同時に見つけてしまったのは、昨日は見かけなかった朝田くんに対する誹謗中傷の言葉。
叩いてるのはほとんど朝田くん以外のファンの人。
平気で人を傷付けてしまうような、心無い、辛辣な言葉がたくさん並んでてすごくすごく嫌な気持ちになった。
でも原因は朝田くんなんだ。
どうにもできない悔しさがずっと残った。
次の日はせっかくの春松竹なのになあ…こんなにモヤモヤした気持ちのままは嫌だなあ…
でも朝田くんの笑顔を見たら、なにもかも忘れて幸せな気持ちになれるんだって。
そう思ってた。
甘かったよね。
3月8日
唯一当選した春松竹がこの日。
ほんっとタイミングが良いのか悪いのか。
もうすぐだね、楽しみだね、口ではそう言って明るく振る舞ってたけど。本当は楽しみと不安が半分半分くらいだった。いや、不安の方が大きかったかもね。どんな顔して朝田くんを見たらいいのかわからなかった。
こんな気持ち初めてで。
空から降ってくる冷たい雨が私の心を表してるみたいで少し悲しくなった。
朝田くんのグッズを買って眺めてるうちにあっという間に開演5分前。色んな意味でドキドキしながら待った。
ステージが明るくなると目の前にはキラキラした世界が。松竹座に通い始めて5年目になっても変わらず新鮮なオープニングのこの感動。大好きな彼らは、本当にどんなときも笑顔にさせてくれるんだなって。
そんな余韻に浸る間もなく、恐る恐る朝田くんの表情を伺った。朝田くんはいつもと同じように楽しそうに笑ってたから、このまま最後まで楽しめる気がしてホッとした。
自分の気持ちに異変を感じたのは2曲目のとき。
青色に光らせたペンライトを振ってずっと朝田くんを見ていたら、気付いてくれた。バッチリ指をさしてくれた。朝田くんが私にファンサをくれた。
なのに
素直に喜べなかったのはなんでだろう。いつもなら興奮が抑えきれないほどはしゃいで全力で喜ぶはずなのに。大好きな朝田くんにファンサをもらったのに、こんなにも冷静すぎる自分に引いた。
余計なことが頭をよぎるんだ。
朝田くんは今どんな気持ちでステージに立っているんだろう、どんなこと思いながら客席に笑顔を振りまいているんだろう、そんなことばかり考えながら朝田くんを見てしまうようになっていた。
一度自分の気持ちの変化に気付いてしまったらもう終わり。どんなにかっこいい朝田くんを見ても、えろっちぃ腰振り淳弥くんを見ても、大好きでたまらないクシャっとした笑顔を見ても、どれも本気で受け止められなくて。
「アイドルの朝田淳弥」しか見たくないのに、それよりも先に「普通の男子大学生である朝田淳弥」を意識してしまっていた。「今の大事な時期に問題を起こした残念な朝田淳弥」というレッテルさえ貼られてしまっていて。朝田くんのすべての動作にあの写真の彼女がチラついた。
こんなこと思いたくもないのに。
ごめんね朝田くん、朝田担失格だね。
それでも最後までずっと青ペンラを振って朝田くんを見ていた。やっぱり大好きなことには変わりなくて、一瞬も見逃したくなかったから。
ずっと楽しみにしてたUBも和太鼓も他のも全部期待通り大好きなパフォーマンスだったよ。
でも、でも、、
一番辛かったのは公演が終わった直後。いつもみたいに純粋に朝田くんかっこいいって見れなかったのがすごく悔しかった。松竹座で幸せな気持ちになれないなんて、こんな経験したことなくて戸惑った。
大好きな朝田くんの姿を見たら全部忘れて幸せな気持ちになれるなんて、本当に甘い考えだったんだなって。生身の朝田淳弥がリアルすぎて、考えたくもないことが次々と頭に浮かんだんだ。
大阪に来るときより何倍にも大きくなったモヤモヤを抱えながらバスで東京に戻った。
3月10日
恐れていたことが突然起きた。
なかなか状況が理解できず、鼓動は速くなるばかりで息苦しくなった感覚をよく覚えている。震える手で昼公演のレポを検索した。朝田くん不在という情報と、今江くんの出番が激減してしまったという情報で埋め尽くされていた。悲しいというか突然のことすぎて唖然とした。
とりあえず夜公演のレポを待とう。
体調不良かもしれない、なにか別の用事かもしれない、夜はきっといるだろうと心を落ち着かせてたけど、タイミング的に悪い予感しかしなかった。
「夜も朝田淳弥くんいません」
裏切られた気分だった。松竹公演期間中にいなくなるなんて思いもしなかった。せめて千穐楽まではステージに立ち続けてくれると思ってた。
それと同時に、朝田くんが松竹座にいないって聞いて少し安心してる自分もいた。だって辛かったから。あの日の松竹座がアウェーな空間だったから。いつだってステージの上ではキラキラしてた朝田くんが、いつもより小さく見えた。ほんとはそんなことなかったのかもしれないけど、朝田担の私にはそう感じてしまった。
朝田くんのターンで凍りつく空気が今でも思い出されて怖くなる。ファンでさえ耐えられない空間に本人が耐えられるとは思えないよ。日に日に冷たくなる視線に3日間も耐えてたんだと思うと苦しくなった。
だから簡単に戻ってきてなんて言えなくて。
色んな感情が込み上げてきて涙が溢れてきた。泣きたいわけじゃないのになぜか涙が止まらなくて。私ってこんなに弱かったっけ。自分が思ってる以上に、私の中で朝田くんは大きい存在だったんだなって実感した。
やっぱりこのままいなくなるなんて嫌だよ。
明日はきっといるよね、お願い。
いなかった。次の日もいなかった。
もう朝田くんは松竹座には戻ってこない気がした。朝田くんの意思なのか事務所の意向なのか、不在の理由はわからないけれど。少なくとも今回の春の松竹座には戻ってこれないんじゃないかと思った。
朝田くんに対する誹謗中傷は、朝田くんが松竹座から姿を消してからの方が酷かった。大好きな人が悪く言われてるのなんて見たくないよ、見たくないけど検索する手が止まらなくて…自ら傷付きにいったようなものだ。
「朝田淳弥逃げたの?」
たしかに逃げかもしれない。立つはずだったステージに立たないことは許されることではないし、ちゃんと最後まで向き合うべきだとは思った。でも逃げが必要なときもあるんじゃないのかな…ってよくわからないけどそうも思った。
朝田くんがステージにいるときは「早く辞めろ」「迷惑だから消えて」なんて言葉がたくさん並んでたのに、朝田くんがステージからいなくなった途端「逃げんな」「責任取れよ」なんて…矛盾してるよ、、、
じゃあどうすればいいの?
結局朝田くんのこと悪く言ってる人たちは、どういう結果になっても満足できないんだろうな。人を平気で傷付けていることを知らずに、ただただこの状況を楽しんでる。救いようがない、残念な人たちだよほんと。
朝田くんを叩くことにはもう飽きたのかな。最近はあまり見かけなくなった。アンチどころか朝田くんのことを心配する声すら見かけることが少なくなってしまった。
みんなの中から朝田淳弥という存在がどんどん薄れて消えていっちゃうよ。
春松竹のレポで「朝田淳弥不在」がなかなか流れてこなくなったときにそう思った。いつのまにか朝田くんの穴は埋められていて。最初からいなかったみたいに自然なのが不自然に感じた。
もう朝田くんがいないのが当たり前みたいになってる世界がすごく辛くて怖くて悲しかった。何より自分自身がそうなりつつあるのが怖い。公演が終わる時間になっても冷静で、どうせ今日も朝田くんはいないんだろうなって思ってしまう自分に腹が立つ。朝田担が信じなくてどうするの。一番に朝田くんのことを信じてあげられる存在でありたい、あるべきなんじゃないのかな。
そうだよ信じなきゃ、信じたい。また朝田くんがステージの上に立てますように。全力のパフォーマンスでキラキラ輝けますように。仲間と一緒に楽しそうにしてる朝田くんの笑顔が戻ってきますように。
また前みたいに、朝田くんのファンでよかったと心から思わせてくれるって信じてるからね。
朝田くんが失った信用は、これから時間をかけてでも朝田くん自身で取り戻していこうよ。
これからどうなるかなんて私にはわからないけれど、
関西ジャニーズJr.の朝田淳弥くんがずっと大好きだよ。
ねえ、
朝田くんが松竹座からいなくなってどれくらい経った?時が経つのが早くも感じるし、遅くも感じる。
そもそも朝田くんがいないって事実が未だに信じられないのかもしれない。
あの日から時は止まったまま。
あーあ
なにもかも夢だったらいいのに。
夢なら早く覚めてしまえばいいのに。
お願い、誰か教えてよ。優しく言ってよ。
ぜんぶ夢だよって。
[追記]
今はもうめっちゃ元気大丈夫わーい!!
全力で朝田くん待機してる〜!!!
はやく戻ってこーい!!(軽)
[追々記]
折れました。
逃げます。
朝田くんバイバイ、ありがとう。
ずっと大好きだよ。
[追々々記]
ねえ待って帰ってきたんだけど!!!!
意味わかんない!!!!
どうしよう!!!
ちょろおただからまた会いに行くかもね!!!
ばかー!!!!